妻が前置胎盤と診断されたのは、妊娠中期のことだった。
そのときパパは、正直どのくらい深刻な話なのかよくわかっていなかった。検診に同行して先生の説明を聞いて、「胎盤の位置が子宮口に近い」という言葉を聞いて、それが何を意味するのかをあとからスマホで調べた。
読んでいくうちに、軽い話じゃないとわかった。
前置胎盤とは何か。調べて初めて重さがわかった
前置胎盤とは、胎盤が子宮の出口(内子宮口)を覆うように位置している状態のことだ。通常、胎盤は子宮の上の方や横に位置しているが、前置胎盤の場合は出口付近にある。
問題になるのは出産のタイミングだ。自然分娩の際に出血リスクが高くなるため、多くのケースで帝王切開が選択される。また、妊娠後期に大量出血が起きることもあり、管理入院が必要になるケースもある。
調べながら、パパの頭の中にいくつかの「もし」が浮かんだ。でもそれを言葉にしても仕方なかったので、黙っていた。
パパ
最悪のシナリオを考え始めたら止まらなくなる。だから調べるのをそこで止めた。
診断を聞いたとき、妻はどこか落ち着いていた
妻本人は、思ったより落ち着いていた。「まだわからないんでしょ」という感じで、過度に心配する様子はなかった。むしろパパの方が内心ざわついていた。
ママ
胎盤って、位置が変わることもあるらしいよ。次の検診で確認してみよう。
そう言われてはじめて、「前置胎盤は妊娠が進むにつれて胎盤の位置が上がり、自然に解消されることもある」という情報に気づいた。パパが調べたときはリスクの部分ばかり目に入っていた。
その後も定期的に検診で確認することになった。妻は毎回「どうだった?」と聞くとさらっと教えてくれた。パパはその答えを、毎回少し緊張しながら聞いていた。
不安を抱えながら、でも普通に日常が続く
前置胎盤のことを頭に置きながら、それでも日常は続いた。娘の世話をして、仕事をして、妻の体調を確認して、ということの繰り返し。
妻は「無理に動かないように」と言われていたので、重い荷物は持たない、長時間立たない、というのを意識して過ごしていた。代わりにパパが買い物や娘の送り迎えを担当する日が増えた。
在宅ワークで助かったのはそういうときだ。急に「しんどい」と言われても、仕事をその場で切り上げてフォローできる。オフィスワークだったらそうはいかなかった。
パパ
在宅ワークって不安定な面もあるけど、こういうときに本当に助かる。
娘はまだ事情をわかっていない。「ママのおなかおおきい」と言いながら、ぽんぽんと触りに行く。そのたびに妻が苦笑いをしていた。
検診で「胎盤の位置、上がってますね」と言われた日
先日の検診で、担当の先生から「胎盤の位置が上がってきていて、問題ない状態になっています」と言われた。
妻から帰宅後に聞いた。
ママ
前置胎盤、直ってたって。
それだけ言って、妻はいつも通りの顔をしていた。パパはしばらく黙った。
「よかった」という言葉が出るまでに、少し間があった。なんか急に色々なことが頭の中でほぐれていく感じがあった。ずっと奥の方で張っていた糸が、少し緩んだような感覚だった。
パパ
声に出して「よかった」と言えるまで、なぜか少し時間がかかった。
娘はその会話を横で聞いていたが、何も気にせずアンパンマンを見ていた。それがなんか救われた感じがした。
前置胎盤は解消された。でもまだ出産まで続く日常がある
前置胎盤というひとつの心配は外れた。でも妊娠後期は他にも気をつけることがある。むくみ、血圧、胎動の確認。妻は定期的に検診に行き、パパはその結果をいつも少し緊張しながら聞く。
娘のときも、妊娠中はいろんなことがあった。でも無事に生まれてきてくれた。今回もそうなると思っている。思いたいというのが正直なところかもしれない。
在宅ワークの合間に、妻の様子を確認する。娘を追いかけながら、ちゃんとご飯を作る。予防接種に一人で連れていく。それが今パパにできることだと思っている。
大きな不安がひとつ消えた。あとはもうすぐ会える、下の子のことだけ考えながら過ごしていく。
よくある疑問
Q. 前置胎盤は自然に治ることがありますか?
あります。妊娠初期〜中期に診断されても、妊娠が進むにつれて子宮が大きくなり、胎盤の位置が上に移動することがあります。うちの妻もこのパターンでした。ただし全員がそうなるわけではないので、定期的な検診での確認が大切です。自己判断せず、担当の先生に都度確認することをおすすめします。
参考:日本産科婦人科学会「前置胎盤」 国立成育医療研究センター「前置胎盤について」
Q. 前置胎盤と診断されたら、普通の生活はできませんか?
程度によって異なります。「安静にするように」という指示が出る場合もありますし、日常生活はほぼ普通に過ごせるケースもあります。うちの場合は「無理な運動・重い荷物は避けて」という指示でした。ゆっくりした散歩や家事は問題ありませんでしたが、判断は必ず担当医に確認してください。
Q. パパとして、妊娠中に心がけたことはありますか?
「何かあったらすぐ動ける状態でいること」を意識していました。在宅ワークなのである程度融通が利きますが、急に体調が悪くなったときに離れた場所にいないようにするとか、買い物や重い荷物は全部パパが担当するとか。あとは「大丈夫?」を聞きすぎないこと。毎回聞かれると妻もプレッシャーになるので、自然に見守る感じにしていました。
まとめ
前置胎盤と言われてから、直ったと聞くまでの期間を、記録として書いておきたかった。
大きなことは何も起きなかった。検診のたびに確認して、結果として胎盤の位置が上がって、解消された。それだけのことかもしれない。でもその「それだけ」の間に、パパなりにずっと気にしていたことがあった。
これを読んでいる人の中に、同じ診断を受けて不安になっている人がいたら、「自然に解消されるケースもある」ということは知っておいてほしい。もちろん担当医の指示に従うことが最優先だが、必ずしも最悪の展開になるわけではない。
あとは無事に生まれてきてくれることだけ。もうしばらく、この4人になる前の3人での日常を続けていく。
在宅ワークをしながら娘の英語レッスンを続けている話はNativeCampキッズ 在宅パパのレビューにまとめています。
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